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帰国生から見た日本 小林彩乃

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今回インタビューさせて頂いたのは、早稲田大学法学部在籍の小林彩乃さんです。小林さんは、お父さんの仕事上幼少期のほとんど(小1〜中3まで)をシンガポールで過ごしていました。したがって、幼少期に学んだ現地の文化と日本の文化の異なりで困ったこともあったそうです。

それでは、帰国子女の視点から、日本とシンガポールの違いなどを聞いていきたいと思います。それでは、小林さんよろしくお願いします。

帰国してみて感じた、日本と海外のギャップ

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大まかにシンガポールと日本の違いは、どのようなところですか?

まず、行ってすぐに分かるのはあったかいことですね。もう発展途上国ではないがちょっと前まではジャングルだらけだったから、人々もラフな感じで生きてます。結構時間に遅れるのも当たり前だし・・・

そこを含めて緩い感じて、自分に対しても緩いから、人に対しても緩くて、結構なんでも許されちゃう感じがしますね。例えば、日本だったらあれしちゃいけない、これしちゃいけないと規則があって、洋服もあんまり露出しちゃいけないとか、こういうとこにいくのにこういう服はいけないというドレスコードとかもあって、そういうのが基本的にはシンガポールではないです。

シンガポールの中でも上層部の方は、世界共通であるそういうものはあると思うんですけど、一般庶民は全然そういうのがなくて、逆にそういう規則とかがなくて、居心地がいいと感じることもあります。

では、シンガポールの現地の人たちはどのような方々なのですか?

初対面の人でも、気を使うってことは無いですね。

それと、日本では「あの人ってどうなの?」みたいに見られることがあったりするけど、シンガポールではありません。

例えば、日本でパジャマで外を歩いていると「え?」ってなるが、シンガポールだと変な目で見られることが無いです。

中国の人がシンガポールには多くて、中国の人って凄く家族の繫がりを大事にするみたいなんですよ。日本だったら親しくてもいとこまででだったり、親族が集まるのもお正月に会うくらいだと思うんですけど、中国の人ってしょっちゅう親族大人数で円卓を囲んで食事をするんです。

だから、おじいちゃん、おばあちゃんを凄く敬うので、何も言わなくても、若者とかは席を譲ったりするんですよ。

そして、シンガポールでは、純粋なシンガポール人の人はそんなに多くなくて、中華系のシンガポール人やマレー系のシンガポール人、インド系のシンガポール人、あと、日本とかヨーロッパとかの先進国から仕事をしにきている人がちょっといるって感じで、いろんな人が混ざっていてみた目だけだと何人って判断できないですね。

幼少期をシンガポールで過ごして、帰国したときのギャップはありましたか?

シンガポールは、ずっと夏の国で、暑いからみんな下着を着てTシャツを着て、短パン、ビーサン履いて、外に行くって感じで、その服装がよそ行きって行ってもいいくらいポピュラーな服装でした。

だけど、高校進学と同時に日本に帰って来て、高校に通っていて、夏になって問題が起きました。

女子高生はみんな下着の形が分からないように、Yシャツの下にキャミソールを着るんですよ。でも、私はそこが分からなくて、「なんで下着が透けちゃいけないのかな?」って・・・

それと、夏にベスト着るのも分からなくて、ベストってニットじゃないですか、なんで、夏は暑いのにわざわざニット着るんだろう?と思って理解できななくて、ベストを着ずに学校行ったら、みんなに「上着た方がいいよ」って言われて、すごい恥ずかしい思いをしました。

今でも若干、下着を透けるのがいけないのが理解できないなと思います。別にそんなに気にすることじゃないのかな?って、だってビキニって着るじゃないですか!ビキニと同じ形なのになんでダメなのかなって・・・

あと、私が気を配るのが遅かったてのもあると思うんですけど、高校に入るまで脱毛したことが無かったんですよ。

私は脱毛しないのが当たり前だと思っていたので、夏になって体育祭とかで半袖のTシャツ着るときに、私が脱毛していないことに驚かれて脱毛をしなくちゃいけないんだって思いました。

もはや日本では脱毛するのが当たり前だけど、シンガポールでは当たり前じゃなくて、脱毛する人って本当に美容が大好きで気を使ってる人みたいで、脱毛する=エステにいくみたいな感じだったので、自分はそんなに美容とか気にしている人じゃないからいいやって思っていたけど、そこは日本に帰ってきて、ちょっと恥ずかしい思いしました。

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また、シンガポールは、お手洗いと洗面台とその真横にバスタブがあるというホテルみたいな構造で、バスタブは元々お湯につかることを想定されて作られてないから、結構浅めで縦長なんで、その上にシャワーが着いているようなものなんですよ。

なので、私は、シンガポールで、トータル10回もお湯につかっていないと思います。でも、日本に帰ってきて親がお湯につかるから、自分も浸かっていたんですけど、お風呂の入り方を知らなくて、銭湯とかでは、いまでは基本の基本って分かるんですけど、お湯につかる前に身体を洗うじゃないですか、それを私は知らなくて、お風呂のドアをバーッと開けてそのまま浸かったんですよ、それって正直汚いじゃないですか、でも、それが全然分からなくて、親にそれで怒られて、「じゃあ、何のためのお湯なの?冷めちゃうじゃん!」とか言い返してたらお母さんが、「彩にお風呂の入り方を教えてなかったね」って言われてそこでもカルチャーショックを受けましたね。

それを知ったのは、高1の時点だったんですけど、高1で知らないのって結構ヤバいじゃないっすか!それで、高校のとき友達にも言えなかったけど、今なら言えるかなって。高校の合宿の直前にもお母さんに「おっきいお風呂があると思うけど、みんなが端っこに並んで洗うと思うから、一緒に洗うんだよ!」って高校生なのに言われましたw

昔は、こういう一個一個がショックだったのに、最近では、日本の生活に慣れてしまって、日本の生活に淘汰されているのが寂しかったりするんですよね。

 それと、自分で思ったって言うよりは、人に言われて気づいたって感じなんですけど、結構日本で育った人って日本好きじゃないですか!私も日本嫌いじゃないですけど、日本の人で四季が嫌いな人って居ないじゃないですか、でも、中には居るかもしれないですけど、日本人は「美しい四季」みたいな感じで四季を楽しんでるじゃないですか。でも、私は四季があまり好きじゃなくて、春は風邪を引きやすいし、私は花粉症なので大の天敵なんですよ。また、夏は木とかが無いから、直で日差しを浴びるような暑過ぎる夏じゃないですか、シンガポールってずっと夏なんですけど、木とかがあって直に日を浴びることが無いんですよ。また赤道直下だから、太陽の位置が日本と違って陰がなくなったりするんですよ。だから、日の当たり方も違ってあんまり暑く感じないんですよ。でも、日本の夏って外歩くの無理って感じで、常に汗をかくみたいな感じで、それもそれで居心地悪いなって思っちゃうんです。そして、冬は普通に寒いし・・・

気温変わると風邪も引きやすくなるし、紅葉とかもものすごく綺麗とかになるとお金出して見に行かなくちゃいけないしと、そういうところで日本に対しての思い入れが少なくなっちゃたんだなって思います。

では、帰国してみて日本について現在どう思いますか?

日本って規則が多い国じゃないですか、学校にしても、公共のルールでも、自分がこれしなきゃいけないあれしなきゃいけないっていうのがイヤなだなと思います。

それと、なんで日本の人って、口うるさく言うんだろうって思います。シンガポールでは怒らないことが美徳とされる国だから本当に怒らないんです。

バイトを始めて気づいたんですけど、日本のお客さんとかがものすごく敬われてるみたいなのあるじゃないですか、だから私は、そんなにお金を払ってご飯を食べていることが偉いことなのかな?って思いますね。クレームとかつけられて、こっちが全く悪くなくて、お客様の勘違いだったとしても、店側が謝ってる。なんでこんなにお客様って偉いんだろうって思いますね。

シンガポールのお店だとお店入っても、お店のおばちゃんが新聞読んだまま気付かないみたいな、気付いてもまた新聞に目をやるみたいな感じなんですよ。確かに、店員さんの仕事ってそれで十分じゃないかなって、新聞読んでるおばちゃんが多いのは洋服屋さんなんですけど、洋服屋さんの店員さんってよく話しかけてくるじゃないですか、人によってイヤな人も居るし、店員さんに助けて欲しいときは呼ぶし、ほっといてって思うんですよ。カフェとかは日本とかわらないですけど、一個一個飲み物を渡すときも、ドンって置かれることもあるんですけど、日本だと「何?あの店員?」みたいに言う人居るじゃないですか、でも、飲み物は普通に飲めるわけだし、別にいいじゃんって思います。結構、店員さんなんだからこれくらいやってくれて当たり前みたいのが日本人にはあって、シンガポールの人とは考え方が違うなって思いました。自分がバイトをしてみて、店員ってここまでやんなくちゃいけないの?みたいなことを思いましたね、自分が悪くなくても謝るみたいな。働いているときは、そういう文化が憎く感じるときがあります。

シンガポール人は日本人のことをどう思っていますか?

シンガポールに日本人って2通りの人がいて、住んでる日本人と観光でくる日本人。多分現地の人も、目の前の日本人がどっちに属しているのか見分けられて、住んでいるの日本人は英語がしゃべれないけど、日本人同士のネットワークが凄いからシンガポールについては詳しいんだよなとは思われているとは思います。特に好かれている嫌われているはないですね。「あっ、日本人だ!」みたいのはないですね。

凄い居心地がいい国なので、全然英語がしゃべれない日本人でも楽しめるので、ぜひ楽しんで欲しいです。最近出来た3つのビルの上に船があるところがあるんですけど、そこの観光スポットに行くのももちろんいいと思います。が、それより、もっとローカルの道に行くのがいいじゃないのかなって思います。観光スポットって観光客向けの味のものとかあって、観光客が居心地がいいようにされているから、そういうのじゃなくて、道とかボコボコしてるけど、シンガポールのローカルの人が食べるようなものを食べ歩きした方が、旅行したほうが楽しいのじゃ無いかなって思います。

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 シンガポールは、ごはんはとても安いです。

日本に帰ってきてスタバいってショートサイズを頼んだときに「馬鹿にされているのか?」って思うほど小さかった!日本のトールサイズが、向こうのショートサイズで量が多いから安い。

食べ物に限らず、物価が安くて、その影響で、帰ってきたときに金銭感覚が狂いました。1999円ってほぼ2000円じゃないですか、でも安い!って思ったんですよ。でも、そもそも、その商品に対して1999円の価値があるのか分からないし、1000の位とか高い気がするし、逆に、1000円札1枚と考えるとそんな高くない気もするしとよくわからない感覚になっていて、気付いたらお金がないみたいのがよくありました。そこで、私は、3000円と考えると安いと思うけど、シンガポールドルに換算するとめっちゃ高くない?って言う感じで、シンガポールドルに換算して買い物をしていました。「このスカート3000円だよ!めっちゃ安くない!」みたいに思っても換算すると「46ドルのスカートめっちゃ高いんだけど!」みたいな感じになりました。いまはさすがに日本円感覚が身に付いたけど、しばらくはわからなくて、これが高いのか安いのか分からないってのがありましたね。